2024/10/1にCurium社との戦略的提携について発表しました。
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Curium社はフランスに本社のあるグローバル放射性医薬品企業です。欧米各地に製造拠点を有し、年間1,400万人を超える患者さんに、SPECT診断薬、PET診断薬および放射性治療薬を届けています。
本提携において、Curium社とPDRファーマは177Lu-PSMA-I&Tおよび64Cu-PSMA-I&Tという薬剤の日本国内における臨床開発を共同で実施し、PDRファーマが承認申請、製造、販売を主導します。Curium社は、両剤の海外でのフェーズ3試験を実施しています。
- 治療薬の臨床試験:ESLIPSE
- 診断薬の臨床試験:SOLAR RECUR、SOLAR STAGE
前立腺がんは日本において患者数が拡大しており、年間の新規患者数は約9万人~10万人と報告されています。男性ホルモンを抑える治療などが行われますが、それにも関わらず進行し、他の臓器にも転移してしまった(転移性去勢抵抗性前立腺がん、mCRPC)患者さんに対する治療の選択肢が少ない状況です。
177Lu/64Cu-PSMA-I&Tは前立腺がんの表面に多く発現するPSMAという物質を標的とし放射性物質をがんに選択的に運びます。この薬剤はセラノスティクスとして開発されており、177Luを使うと治療薬として、64Cuを使うと診断薬として使えることを目指し、開発を進めています。日本での開発はこれからということになりますが、Curium社が行っている海外のフェーズ3のデータを最大限活用し、短期間で行うことを目指しています。
また、今回の提携の大きな特徴となるのが、コスト負担です。通常、海外開発品の日本での開発・販売権を導入すると契約一時金・マイルストーン・ロイヤルティーの支払いが発生し、臨床開発コストも必要になります。いっぽう、今回のCurium社との戦略的提携においては
- コスト(今後必要となる国内での開発費、商業化に向けてのコスト)
- 商業化以降の利益
について、Curium 社とシェアするという建付けになっています。
これにより、ペプチドリームとしては導入費用・開発費用を抑えることができるという効果が期待できます。契約一時金は発生していないので、今期の費用への影響はありません。
ペプチドリーム発のRI-PDCの開発段階はまだ早期段階であるため、このように、PDRファーマの放射性医薬品事業のプラットフォームを活用した提携を行うことで、より早期に治療薬を上市することを目指していきたいと考えています。最新のパイプラインについてはこちらをご覧ください。

ペプチドリーム広報の沖本です
生命工学系の大学院を卒業後、出版社、証券会社をへて2020年にペプチドリームに入社しました。わかりやすくリリース内容や技術内容をお伝えしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。