みなさまこんにちは。
本日、2021/9に発表した放射性医薬品事業の取得に関する条件付対価の支払いが確定しました。現在ではペプチドリームの100%子会社となっているPDRファーマを取得するにあたり、もともとの取得の対価は305億円でした。一方、富士フイルムとの契約に、この金額には含まれていない条件付対価が設定されていました。
条件付対価とは、対象事業の価値が大きく増加するイベントに連動して、追加で支払いを行うことをあらかじめ合意しておくことです。
その後、「ルタテラ®静注」と「ライザケア®静注」の権利がノバルティス社に返還され、PDRファーマの事業から除外されることが決まったため、取得の対価が305億円から約220億円に減少しました。
「ルタテラ®静注」と「ライザケア®静注」はPDRファーマで日本における承認を取得し販売を行っていました。
一方、成功条件の1つに、「アミヴィッド®静注にMCI(軽度認知障害)での適応が追加されること」が含まれており、先月末に適応拡大が承認されたことから40億円の条件付対価の発生が確定しました。2023年3Qでのキャッシュアウトの予定です。
なお、この条件以外に設定されていたものについては成就しないことが確定しているため、今後さらに追加の支払いが発生することはありません。
この40億円の支払いについては、金融機関からの長期借入などにより行う予定です。
また、PLへのインパクトについてですが、40億円の支払いについてはすでに約20億円を前期の費用として計上しているため、今期は残りの約20億円が金融費用として計上される見込みです。これは、2023/2/14に発表した業績予想にすでに織り込まれているため、業績予想の変更はありません。また、来期以降のPLへの影響はありません。

この条件付対価支払いのPLへの影響が今期発生しているため、今期の当期純利益の予想が前期実績に比べて減少していますが、この影響を除くと、前期の予想を上回る水準になっています。
来期以降、軽度のアルツハイマー病に対する治療の選択肢が増えると、アミヴィッド®静注が使用される機会が増えていくのではないかと考えており、来期以降はポジティブなインパクトを期待しています。
こちらもご覧ください: 2023/8/31 アミロイドPET検査用イメージング剤「アミヴィッド®静注」の適応拡大が承認されました