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2025.12.25
研究開発進捗

R&D説明会:自社プログラムの進展を発表しました

2021年以来毎年12月に実施しているR&D説明会ですが、今年も12/5に実施しました。この中で、ペプチドリームで実施している研究活動から生まれた新たな自社プログラムを2つ発表しました。

経口 IL-17A/ IL-17F 二重阻害薬の有望な前臨床試験結果について 放射性医薬品における三つ目の自社プログラムとしてCadherin-3(頭頸部扁平上皮がん)を標的とした開発候補化合物を発表

1. 経口IL-17二重阻害薬について

経口ペプチド医薬品は、ペプチドリームグループの5つのコア領域の2つ目にあたります。ペプチド医薬品は、抗体医薬品と同様に、創薬標的に対して高い選択性を示します。さらに、ペプチド医薬品は抗体医薬品と比較してサイズが小さいことから、以下のような特徴を持っています。

  1. 組織への移行性が高い
  2. 併用療法に向いている
  3. 化学合成が可能
  4. 経口薬は注射薬に比べ患者さんの利便性が高い
  5. 物性が安定しており、在庫期間を長くしたり、保管・輸送コストを削減することができる

経口IL(インターロイキン)-17二重阻害薬は、経口マイオスタチン阻害薬に続く2つめの自社経口ペプチドプログラムです。

"二重"阻害薬とは?

IL-17にはIL-17AとIL-17Fという2つのアイソフォームがあり、IL-17A/A・IL-17A/F・IL-17F/Fという2量体のパターンを形成します。炎症性疾患の治療において、IL-17A/A・IL-17A/Fだけではなく、IL-17F/Fも阻害することで、より強く・持続的な効果が得られると考えられています。IL-17AとIL-17Fの両方を標的とする抗体医薬品であるBimzelx (bimekizumab)は、IL-17A中和抗体として関節炎/若年性特発性関節炎/化膿性汗腺炎/乾癬性関節炎/強直性脊椎炎/乾癬など様々な炎症性疾患の治療薬として販売されているCosentyxを上回る効果を、乾癬の患者さんが参加した比較試験において発表しています。

ペプチドリームの経口IL-17二重阻害薬は、IL-17A・IL-17Fの両方に阻害能を有する二重阻害ペプチドであり、IL-17の主要な二量体フォームであるIL-17A/A、IL-17A/F、IL-17F/Fの全てを標的とするペプチド治療薬です。

今回発表した乾癬疾患モデル動物での実験では、経口投与により、静脈内注射投与したTaltz(IL-17A中和抗体)と同等の有効性を示しました。また、投与後の皮膚への移行性が高いという特徴も見られ、優れた局所活性を示し、抗体医薬品との差別化点になる可能性も期待できます。

乾癬の市場は2024年に281億ドル(約4.3兆円)、2034年には680億ドル(約10.5兆円)に達すると考えられており、乾癬におけるIL-17阻害薬の売上は約77億ドル(約1.2兆円、2024年)です。また、IL-17阻害薬は乾癬だけではなく、広範な炎症性疾患で適応となっています。

今回、ペプチド医薬品としての強みが表れた有望なデータを発表することができました。今後は、IND 申請に向けた試験を進めていくとともに、提携活動も検討していきたいと考えています。

2. カドヘリン3(CDH3)プログラムについて

このプログラムはペプチドリームグループの5つのコア領域のなかで最初にくる放射性医薬品としての開発を目指しています。CDH3プログラムは、自社で開発を進めている放射性医薬品プログラムとして3つ目にあたります。これまでの2つも順調に開発が進んでおり、1つめのプログラムであるCA9は、米国でのIND申請が承認され、来年フェーズ1試験を開始する予定です。

今般発表したCDH3プログラムは、細胞間の接着に必要なタンパク質であるカドヘリン3(CDH3)に選択的に結合するペプチドを放射性核種で標識したRI-PDCです。CDH3は頭頚部扁平上皮がん・肺がん・膀胱がんなどで過剰に発現しており、がん細胞の転移に関わるEMT(※1)という現象との相関が報告されています。CDH3を標的とするペプチドを177Luまたは255Acで標識し、担がんマウスに投与すると腫瘍が縮小することが確認できました。ペプチドリームではこのペプチドを頭頸部扁平上皮がんの診断および治療に向けて開発する計画です。

※1 EMT: 上皮間葉転換。上皮細胞がその構造的な特徴を失い、遊走能を持つ間葉系の性質を獲得することを指し、がん組織において浸潤、転移、さらには治療抵抗性を増大させると考えられています。

ペプチドリームでは、さまざまながん領域・免疫領域の標的に結合するペプチドの創製を進めています。ペプチドは、抗体医薬品と異なる性質を持つため、同じ標的の抗体医薬品に対し高い効果が得られる可能性があります。また、ペプチドと結合させるペイロード(薬効成分)の性質を変えたり、MPCとしてペプチド同士を組み合わせたりと、複数のアプローチを展開できる点も大きな特徴です。ペプチドリーム独自のペプチド創薬プラットフォームであるPDPSから、次々と自社プログラムを産み出していきたいと考えています。


R&D説明会のQ&Aはこちらからご覧ください

ペプチドリーム広報の沖本です

生命工学系の大学院を卒業後、出版社、証券会社をへて2020年にペプチドリームに入社しました。わかりやすくリリース内容や技術内容をお伝えしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

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