2025/5/13に不適切な試薬持ち出しに関する特別調査委員会を設置し(リンク)、調査を進めていましたが、2025/8/6に完了しました(リンク)。
2017/3から 2025/1にかけて、試薬類の発注・管理を所管していた元当社取締役副社長COOにより、一部不適切な試薬類の発注・持ち出しがあった可能性があり、事実関係の確認を進めてきました。
調査の結果、2017/3~2025/1にかけて最大約5,400万円相当の試薬類が、元当社取締役副社長COO本人の手によって、無断で社外に持ち出された、あるいはその可能性が高いことが認められました。
この、試薬というのは、試薬メーカーや代理店から購入することができる一般的な汎用試薬であり、本社・研究所が1か所(川崎市)であるペプチドリームにとって、持ち出しするというのは通常考えられないことです。
元当社取締役副社長COOは、事業の一環として「阿吽の呼吸」で複数の研究室に所属する学生などからのリクエストを自ら受領し、独自の判断で試薬発注を指示し無償で供与してい たということでした。他の役員や取締役会への相談・報告が行われた記録はなく、稟議手続きも取られていませんでした。
また、この調査を進める中で、元当社取締役副社長COOが会社に報告なく、取引先などと契約を結び、業務の対価として金銭を受領していたという別の事案も判明しました。
2025/8/6に実施されたアナリスト・機関投資家向け説明会において、本件についていくつかのご質問を頂いたので記載させていただきます。
Q. 報告書の中で、なぜ元副社長の実名を記載せずにA氏としたのか?
A. 特別調査委員会による調査はあくまで任意調査ですので限界もあります。今後、法的な手続きの中で裁判所からの事実認定がしっかりと行われ、より確度が高い状態になるまでは匿名性に配慮するのが適切と判断しました。
Q. なぜ長期にわたって発覚しなかったのか?
A. 複数の要因があったものと考えられますが、背景として、いわゆるマネジメントによる内部統制の無効化、本来ガバナンスを整備していかないといけない立場の人間がガバナンスを無効化していたことは要因の一つと考えています。事実関係の調査が完了したところであり、今後詳細な原因分析が行われることになります。再発防止を徹底していくことが必要であり、一つ一つ検証をしていきたいと考えています。
Q. 元当社取締役副社長COOの退任と本件は関係あるのか?
A. 退任との関係はありません。元当社取締役副社長COOが退任した4月以降に本件が発覚したというのが事実です。
当社として今回の事案を大変重く受け止めています。原因分析および再発防止策の検討をしっかりと進めていくことはもちろん、さらなる事実の究明、損害回復に向けた法的措置についてもすみやかに検討を進めてまいります。