ペプチドリームの戦略的提携先であり、Bristol Myers Squibbのグループ企業であるRayzeBio社が、RYZ801とRYZ811の第1/1b相臨床試験を開始しました(リンク)。
RYZ801は、新規のファースト・イン・クラスとなる、PDPSを用いて見出されたペプチドに放射性核種を結合させたRI-PDCプログラムです。75%の肝細胞がんで過剰な発現が認められ、正常組織では全くまたはわずかしか発現が見られないグリピカン3を標的としています。
RYZ801とRYZ811はセラノスティクスと呼ばれる薬剤で、同じペプチドにRYZ801は治療用の放射性核種であるアクチニウム225を結合させた治療薬、RYZ811は診断用核種であるガリウム68を結合させた診断薬です。
今回米国で開始された第1/1b相臨床試験(ClinicalTrials.gov; NCT06726161)は、GPC3陽性の切除不能な肝細胞がんの患者さんの同定および治療を目的として実施されます。RYZ801の安全性・忍容性・線量・初期的な有効性、およびRYZ811の安全性・忍容性・体内分布を評価する予定です。
RayzeBio社とは、2020/8に戦略的提携を実施し、出資も行いました。RYZ801とRYZ811は2023/3に医薬品開発候補化合物として同定され、IND準備試験やフェーズ0試験を経て、今般フェーズ1に入りました。先月のNovartis社のNNS309(リンク)に続き、2か月連続でペプチドリームのペプチドを活用した放射性医薬品がフェーズ1入りするという快挙となりました!
この間、放射性医薬品に対する業界の関心はどんどん高まり、2023/12にRayzeBio社はBMS社により買収されることが発表されました。
放射性医薬品はペプチドリームのペプチドの性質を活かせるモダリティであり、2025年も進捗が期待できる分野です。ぜひ注目していただきたいと思います。