2024年12月期業績予想の修正について
本日、今期業績予想の上方修正を行いました。
売上収益450億円(期初予想350億円)、営業利益201億円(期初予想105億円)、当期利益140億円(期初予想73億円)に修正しました。これは、4/30に発表したNovartis社との提携拡大が予想を上回る収益貢献となる見通しであることによるものです。(なお、この契約の成立は、HSR等の必要とする承認を取得することを条件としており、まだ完了していません。)
2024年12月期Q1業績について
売上収益は42億円、営業利益は▲10億円となり、売上収益の内訳としては、創薬開発事業が5億円、放射性医薬品事業が37億円となりました。
2024年2月以降の主な進捗について
(A) 放射性医薬品領域
- CA9プログラム(腎臓がん)のイメージング試験の臨床研究計画が承認(2024年4月)
(B) Non-RI領域
- Amolyt社が実施するAZP-3813のPhase1試験についてECEで発表(2024年5月)
今後の見通し
(A) 放射性医薬品領域
64Cu-ATSMのピボタル試験開始をはじめ、複数のプログラムでの進捗を想定しています。また、後期開発品/海外上市品のインライセンスも計画しています。
(B) Non-RI領域
AZP-3813、マイオスタチン阻害薬など複数のプログラムでの進捗を想定しています。
今般、Novartis社との提携の大幅な拡大もあり、今期の業績予想を上方修正しました。
Novartis社は「放射性リガンド療法」に注力しており、すでに2製品を販売しています。ペプチドリームとの拡大提携の直後である5/2にはMariana Oncologyという放射性医薬品の開発を行っているベンチャーを17億ドルで買収することも発表しました。Mariana OncologyはRa Pharmaというペプチド創薬のベンチャー(UCB Pharmaに買収されました)でCSOを務めたSimon Readさんが創業し、ペプチドを活用した放射性医薬品の開発を行っています。
今般、Novartis社がペプチドリーム・Mariana Oncologyと相次いでディールを行った背景には、ペプチド技術への高い関心があるのではないかと思っています。
放射性医薬品は体内に投与した際にいかに(正常細胞には作用せず)がん細胞に選択的に放射性物質を運ぶかが薬効・安全性を高めるために重要なファクターとなります。ペプチドは放射性物質を選択的に運ぶキャリア―として理想的な性質を持っています。
ペプチドリームはPDPSという独自のペプチド創薬のプラットフォームを保有しており、どのような標的に対しても短時間・高確率で選択的に結合するペプチドを見つけ出せる技術を持っています。放射性医薬品にとってまさにキーとなる技術であり、このPDPSを活用して標的型の放射性医薬品の開発を進めていきたいと考えています。
こちらもご覧ください
2024/4/30 Novartis社との提携を拡大しました

ペプチドリーム広報の沖本です
生命工学系の大学院を卒業後、出版社、証券会社をへて2020年にペプチドリームに入社しました。わかりやすくリリース内容や技術内容をお伝えしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。