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2024.03.08

マイオスタチン阻害薬について

みなさま、こんにちは。昨日、2023年12月期 決算説明会の質疑応答を公開させていただきました。

その中で、ペプチドリームのマイオスタチン阻害薬について説明させていただきました。

1. ペプチドリームのマイオスタチン阻害薬

マイオスタチンは筋肉の成長を阻害する作用があるため、マイオスタチンを阻害することで筋肉の分解を抑え、筋肉量を維持する機能が期待されます。

このペプチドは、もともと川崎医科大学との共同研究で、難治性の希少疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象として開発を進めていました。

一方、昨年の夏ごろから、肥満治療薬であるGLP-1受容体アゴニストとの併用に関して高い注目が集まっています。

GLP-1受容体アゴニストの治療を受けると、脂肪だけではなく筋肉も減少してしまうため、マイオスタチン阻害薬を併用することで筋肉の減少を抑えることができるのではないかと期待されています。

そこで、ペプチドリームではDMD動物モデルに加え、肥満モデルの試験も行い、GLP-1受容体アゴニストと併用した際に、ペプチドが筋肉を維持する作用を示すか確認する計画です。

また、それと併行してペプチドの経口化も進めています。

昨年のNeuroscience2023という学会で99mという経口ペプチドをマウスに投与し、握力が向上するという結果を発表させていただきました。

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2. マイオスタチン阻害薬の開発状況

現在、こちらの表にあるようにさまざまなマイオスタチン阻害薬が開発されています。

化合物 開発ステージ マイオスタチンの前駆体に結合 マイオスタチンの活性型に結合 モダリティ
ペプチドリームの環状ペプチド 前臨床   ✔   ペプチド
GYM329 (Roche/Chugai) フェーズ2(SMA)  ✔     抗体
Taldefgrobep alfa (Biohaven) フェーズ1(肥満)、フェーズ3(SMA)    ✔   キメラ抗体(アドネクチン+Fc)
Trevogrumab (Regeneron) フェーズ1(肥満)    ✔   抗体

SRK-439 (Scholar Rock)

前臨床(肥満)  ✔     抗体

Apitegrumab (Scholar Rock)

フェーズ3(SMA)  ✔     抗体

※SMA:脊髄性筋萎縮症

ペプチドリームのマイオスタチン阻害薬には大きな特徴が2つあるのですが、1つ目は抗体ではなく、ペプチドであるという点です。

抗体に対するペプチドのメリットとしてはまず、経口化できる可能性があるということです。(抗体はサイズが大きいため注射薬として使われます)

また、抗体は血液中のマイオスタチンはほぼ確実に阻害しますが、組織の中には大きいため入りづらい一方、ペプチドは筋肉組織に移行しやすく、筋組織内で産生されるマイオスタチンも阻害する作用があると考えられます。

もう1つの性質は、活性型のマイオスタチンに結合するということです。

下の図の通り、マイオスタチンは前駆体が分解されることで”matured form”といわれる活性型のマイオスタチンとなります。筋肉の成長を阻害するシグナルは、この活性型のマイオスタチンが受容体に結合することで起こります。

ペプチドリームのマイオスタチン阻害薬は、この活性型のマイオスタチンが受容体に結合するのを阻害します。薬剤によっては前駆体に結合して阻害するものもあります。

このように、ペプチドリームのマイオスタチン阻害薬は他社の製品と比較した際にペプチドであるという点が特徴であり、他社の化合物に対して差別化ができていると考えています。

3. 今後の計画

ペプチドリームのマイオスタチン阻害剤に関しては、このような特徴から、パートナー企業や様々な製薬企業からすでに高い関心が寄せられています。

動物モデルでの結果が今年の後半に得られる予定となっており、そののちにライセンス交渉を本格化していきたいと考えています。

こちらのプログラムに関しても、進捗があり次第、お知らせさせていただきます。

ペプチドリーム広報の沖本です

生命工学系の大学院を卒業後、出版社、証券会社をへて2020年にペプチドリームに入社しました。わかりやすくリリース内容や技術内容をお伝えしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

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