みなさま、こんにちは。
第70回 日本ウイルス学会学術集会で発表するポスターをウェブサイトに掲載しました。PA-001はペプチドリーム独自の創薬開発プラットフォームであるPDPS技術を用いて見出された、スパイクタンパク質のS2サブユニットをターゲットとするペプチド医薬品です。
スパイクタンパク質は新型コロナウイルスが細胞内に侵入する際に使用することが知られており、中和抗体薬はこのスパイクタンパク質に結合することで作用を発揮します。
スパイクタンパク質はS1, S2などのサブユニットから構成されるのですが、PA-001がターゲットとしているS2サブユニットをターゲットとしている市販品は存在しません。
S2サブユニットはS1サブユニットと比較して変異があまり起きておらず、そのためPA-001は野生型からオミクロン株までのすべての変異株に対する抗ウイルス活性を有します。
今回の学会では以下のような結果を発表しました。
- 新型コロナウイルスに感染したハムスターモデルにおいて肺のウイルス力価の減少、損傷の抑制
- 新型コロナウイルスに感染したマウスモデルにおいて市販品であるレムデシビルとの併用によるPA-001のアドオン効果を確認
- 健常人が参加した臨床研究において良好な安全性プロファイルと⽤量依存的な血中濃度プロファイルの相関を確認
新型コロナウイルス感染症は高齢の方・基礎疾患のある方にとっては依然として重症化抑制が大きな課題となっています。ユニークな作用機序を持つPA-001を開発することで、市販品に対する相加的な効果が生じることを期待しています。
現在PA-001は米国FDAに対するIND申請の準備を進めており、2024年第一四半期を目途にフェーズ1開始を予定しています。
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