※この記事は株主・投資家の方に対して情報提供することを目的にしています
PDRファーマで2025/5/20に「ライアットMIBG-I131静注」の適応拡大に関する承認申請を行いました。
1. ライアットMIBG-I131静注とは
ライアットMIBG-I131静注は米国ミシガン大学で創製されたMIBGという化合物をヨウ素131(I-131)で標識した放射性治療薬で、国内では2021年に褐色細胞腫・パラガングリオーマの治療薬(※1)として承認されました。今回、神経芽腫(※2)を新たな適応症として追加することを目指しています。
現在ライアットMIBG-I131静注が適応されている褐色細胞腫・パラガングリオーマは希少がんに分類される神経内分泌腫瘍です。神経芽腫は同様に、副腎内で交感神経として働く神経細胞などを由来とする悪性腫瘍です。主に小児に発症するということに加え、既存の治療では再発することが多く、致死的な疾患であり、新たな治療選択肢が切望されています。
※1:効能・効果:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ
※2:効能・効果(案):MIBG集積陽性の神経芽腫
2. 希少がんに求められる新たな治療法
ライアットMIBG-I131静注と同じ成分の薬剤は欧州では神経芽腫の標準的療法に位置付けられています。今般、MIBG-I131静注の神経芽腫に対する開発は患者団体などから要望が出され、厚生労働省で医療上の必要性が高いと評価されました。海外での治療実績や、国内外の臨床研究の実績が多くあることから、臨床試験を新たに実施せず承認を得ることができる、公知申請の制度を利用しました。
褐色細胞腫についても同様に厚生労働省で医療上の必要性が高いと評価されて開発・承認されたという経緯です。
3. MIBGの性質
MIBGは診断薬と治療薬の両方に活用されている化合物です。副腎髄質ホルモンであるノルアドレナリンの類似物質で、副腎髄質や交感神経に取り込まれる性質があります。PDRファーマでは、放射性診断薬である、ミオMIBG-I123注射液という製品を販売しています。I-123はγ線を放出するため、診断用途に適しており、
- 心シンチグラフィによる心臓疾患の診断
- パーキンソン病・レビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ
-
腫瘍シンチグラフィによる神経芽腫・褐色細胞腫の診断
など、交感神経が病態に関与するさまざまな疾患の診断に役立っています。
一方、I-131はβ線を放出するため、治療用途に適しています。MIBGが集積するがん細胞に対し、放射線による殺傷効果が期待できます。
PDRファーマは放射性医薬品のパイオニアとしてさまざまな診断法や治療法を提供してきました。このように、医師や患者さんからの思いに応える形での開発が実現したことを非常に喜ばしく思っています。今後も、革新的な医薬品の開発を実施していきたいと思います。

ペプチドリーム広報の沖本です
生命工学系の大学院を卒業後、出版社、証券会社をへて2020年にペプチドリームに入社しました。わかりやすくリリース内容や技術内容をお伝えしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。