ペプチドリームは2022/3にPDRファーマを取得して以来、連結決算となりました。
決算短信・有価証券報告書に記載される会計数字は、2つのセグメント(事業)に分けて開示しています。
一方、決算説明会・R&D説明会では2つの領域に分けてパイプラインプログラムを説明しています。
その点がわかり辛いかもしれないので、このブログではセグメントと領域の違いについて解説させていただきます。
1. セグメントと領域とは??
セグメントと領域の概念を下の図にまとめました。セグメントは現状グループを構成している2社(ペプチドリームとPDRファーマ)のそれぞれの数字であるとご理解いただけたらと思います。ペプチドリームとPDRファーマは別会社として運営されており、収益の立ち方が大きく異なるため、このような区分けで整理するのが非常にわかりやすくなっています。
しかし、実は右側の図のように、ペプチドリームでも放射性医薬品に関する活動を行っています。従って、グループの開発状況などを説明する際には会計数字の区分け(セグメント)とは別に、領域というものを設定させていただき、放射性医薬品に関する事業領域(RI領域)と、放射性医薬品ではない事業領域(Non-RI領域)という分類で説明させていただいています。
2. セグメントについて
創薬開発事業はペプチドリームの業績数値を表し、放射性医薬品事業はPDRファーマの業績数値を表しています。
3. 領域について
放射性医薬品(RI)領域は、放射性医薬品のプログラムをしめしており、この中には
- 提携により外部から獲得、上市後はPDRファーマでの販売を予定しているもの(ペプチド以外のモダリティもあり。例:ATSM)
- ペプチドリーム、またはペプチドリームとPDRファーマが共同で創製し、開発を進めているもの(RI-PDC。例:CA9)
- ペプチドリームの提携先が開発を進めているもの(RI-PDC。例:Novartis社のプログラムなど)
- PDRファーマがペプチドリームグループに加わる前から実施しているもの(ペプチド以外のモダリティ。例:Integrin)
などのさまざまなプログラムが含まれていますが、放射性医薬品であるという点は共通しています。将来の収益モデルは①PDRファーマで販売する、②パートナーが販売しペプチドリームがマイルストーンやロイヤルティを受け取る、などが、ケースバイケースで発生します。
一方、non-RI領域は放射性医薬品以外のプログラムを示しており、
- ペプチドリームがパートナーと提携して開発を進めているもの
- ペプチドリームが自社で開発しているもの
- ペプチドリームの技術ライセンス先が開発を進めているもの
が含まれ、対象となる疾患領域はさまざまです。将来的にはパートナーが販売し、ペプチドリームにマイルストーンフィーやロイヤルティー収益が計上されることを想定しています。

ペプチドリーム広報の沖本です
生命工学系の大学院を卒業後、出版社、証券会社をへて2020年にペプチドリームに入社しました。わかりやすくリリース内容や技術内容をお伝えしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。