タケダの公式LinkedInにニューロサイエンス領域におけるR&Dの取り組みとして、ペプチドリームとの協業が紹介されました。
リンク(日本語)
リンク(英語)
神経疾患は思考・感情・記憶など、自分らしさにとって重要な点に影響がでてしまうという点が痛ましく、神経疾患を治療していく意義は大きいと考えています。
ペプチドリームとタケダは2020年より共同研究を実施しており、神経筋疾患・中枢神経系疾患を治療するための研究を行っています。
脳の血管には血液脳関門(BBB)と呼ばれる防御壁があり、血液成分のうち、脳に必要な物質を選択的に届ける仕組みが備わっています。そのため、薬を服用しても、脳には届きにくいという問題がありました。
ペプチドリームは脳内への物質輸送に関わる標的に特異的に結合するペプチドをJCRファーマと開発しており、このペプチドを活用してタケダと脳まで届く薬の共同開発を行っています。
このように、ペプチドは標的に特異的に結合することで、薬効成分を目的とする場所に選択的に運ぶという機能が期待できます。その具体的な例としては、
- 血液脳関門を通過し、脳内に薬を届ける
- 体内で分解されやすい薬(核酸医薬品など)を目的の細胞・組織に届ける
- 副作用を減らすために薬(放射性医薬品など)をがん細胞に集める
などがあります。
このように、ペプチドを用いて薬効成分を体内の目的の場所に運ぶ薬はPDC(peptide drug conjugate、ペプチドー薬物複合体)と呼ばれており、次世代の医薬品として注目されています。
ペプチドリームはこのPDCの領域でタケダに加えGenentech社、Merck社、Novartis社などさまざまな企業との提携を行っています。
